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木造住宅の日射受熱 色やテクスチャーでの違い

鋼板のうえに塗装された看板/赤と白色の受光面温度
以前にアップした記事『 真夏の下町住宅 外壁・屋根温度は50~70℃ 』は、2011年時で最も暑い日の建築外皮温度を調査・考察したものです。今回、先の記事に触れていました窯業系外壁サイディングの展示場みたいな場所へ行き、色やテクスチャーの違いなどによる温度の差を調査してきました。※最高温度では無く、あくまで色やテクスチャーの比較。

場所は埼玉県吉川市のJR武蔵野線に新設された吉川美南駅(2012年3月開業)から西へ徒歩7分の大規模戸建て分譲地。途中にある店らしいものはケーズデンキとローソンのみというこれからの街で、住宅はごく最近に建てられたものばかりです。同時期・同仕様で建てられた木造住宅を同じ環境下で比較調査できるメリットは大きいものでしょう。

調査概要:2012年6月8日晴れ(やや薄曇り)午前11時前後頃に太陽光を受ける面を赤外線サーモグラフィカメラで撮影。【気象観測所(埼玉:越谷)同日午前11時のデータは気温:25.9℃、風向・風速:北北西 1.4m/s ※7日前から平均気温20℃前後で推移】  

調査結果からは、感覚的に黒は熱く、白・シルバーは熱くなりづらいということがある程度定量的に理解でき、温熱的見地からの材料選択や使用方法の可能性が見受けられると思いました。黒は夏に熱く、冬に暖かい、白・シルバーは熱を受けにくく明るいという特徴をどう扱うか。半分冗談な話しですがホッキョクグマ(シロクマ)の地肌が黒く、白毛(透明)2重構造という構成をヒントに住宅の温熱環境をコントロールできないかと思ったりもします。


様々な壁の受光面温度 その1 ※画像クリックで拡大
  • 左上:黒色石積み調窯業系サイディング⇔白色大理石調窯業系サイディング
  • 右上:白色エンボス窯業系サイディング⇔黒色木目調窯業系サイディング
  • 左下:黒色石積み調窯業系サイディング⇔白色エンボス窯業系サイディング
  • 右下:黒色石積み調窯業系サイディング⇔白色石積み調窯業系サイディング


様々な壁の受光面温度 その2 ※画像クリックで拡大
  • 左上:茶色石積み調窯業系サイディング⇔白色エンボス窯業系サイディング
  • 右上:白色エンボス窯業系サイディング⇔薄茶色エンボス窯業系サイディング
  • 左下:ベージュ色石積み調窯業系サイディング⇔白色エンボス窯業系サイディング
  • 右下:ページュ色左官下地吹付け塗装⇔茶色人工木羽目板


様々な屋根の受光面温度 ※画像クリックで拡大
  • 左上:黒色エンボス薄型スレート屋根
  • 右上:レンガ色スペイン風瓦屋根
  • 左下:いぶし瓦屋根
  • 右下:レンガ色スペイン風瓦屋根⇔素地色ガルバリウム鋼板屋根

ソーラークッカー 太陽熱利用の可能性

エコライフ・フェア2012@代々木公園(2012.6.2~3)の初日に行きましたところ、とあるテントブース前には、光の芸術家オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)のオブジェのようなものが沢山置かれていました。

『ソーラークッカー』という太陽熱を利用した調理装置で、最近太陽熱利用の温水装置をやったこともあり興味津々です。早速、話し掛けたのが写真の(敬愛を込めた意味で)ファンキースタイルな女性へです。頭のキャップはソーラーで動くファン搭載、手にはソーラー充電式の携帯ラジオ、伺うと『ソーラーおばさん』と呼ばれているとのこと。肩書きは→日本ソーラークッキング協会会長の鳥居ヤス子さんです。※協会のサイトへリンクしています。詳しいことが見れます。
「ソーラーおばさん」こと鳥居ヤス子さんとパラボラ型ソーラークッカー

それはそれは、多彩な話しを聞かせていただきました。NHKからのインタビュー時のエピソードやお住まいが「ナニコレ珍百景」にコレクションされたり、アフリカの森林破壊主因のひとつである樹木を薪にしてしまうことを止めるべく、簡単に自作可能なソーラークッカーの普及・指導活動をタンザニアで続けていることなど。また英語がお達者なことから、太陽光(熱)を利用した素朴でユニークな記事を世界から集めていて、スクラップされた一部を見せていただきました。驚いたのは、パラボラ型ソーラークッカーを世界で最初のお披露目したのは、プラネタリウムの五藤光学研究所、その創始者 五藤齊三さんあるということ。下の写真は鳥居さんが苦労して入手された古書『天文夜話-五藤齊三自伝/天文夜話-五藤齊三(1979)』の太陽熱利用のパートの一部です。よく見ると住宅で太陽熱利用の冷暖房開発をしたり、原子力発電の次に来るものは太陽熱であると明言するなど、当時には早すぎたんでしょうか。鳥居さんは、日本人の開発したものが国内より国外で広まっていることを非常に残念がっていました。
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ソーラークッカーのパイオニアはプラネタリウムの五藤光学研究所の創始者

会話はソーラークッカーの実用性に及び、私がアウトドアや別荘での利用は明快であるが、一般都市部の共働きしている家庭の戸建住宅では厳しいのではという問いを投げかけたところ、南に面するキッチンという前提であるが、キッチンカウンター正面壁に内側から取り出し可能なソーラークッカー(保温可能)を設置することは可能じゃないかと言っていました。なるほどと思い、細かな問題点を抜きにしてソーラーキッチンのイメージ画を勝手に描いたのが下図です。
鳥居さんのアイデアであるソーラーキッチンを勝手に私が絵にしてみました

下の写真〈右上〉中央は鳥居さんオリジナルの『鳥居式クッカー』でガスレンジ台下に敷くアルミシートを加工してつくれます。〈左下〉はタンザニアでの普及指導で採用しているクッカー、大変ローテクです。
〈左上〉フェア会場風景 〈他〉様々なソーラークッカー

下の写真〈左上〉は太陽熱温水器の魔法瓶ガラスを利用したクッカーです。このようにソーラークッカーは様々な物があり、直火でないことから安全性が高く、モノを熱するための熱源として、太陽熱はまさに一番合理性がありますなぜなら、発電所で湯を沸かしてタービンを回し電気をつくり、家庭でその電気からまた湯を沸かすなんて二度手間なことです。電気というエネルギーは、石油やガスと違い高級なエネルギーなのです。よって石油・ガスにできないこと(EX:エレベーター、明るい照明、パソコン、テレビ等)をするのが電気の合理的な使い道と考え、石油・ガスには副産物としてプラスチック類や薬品が取れること等も理解し、将来のエネルギー料金の行方と合わせて検討すれば、賢いエネルギー利用スタイルが見えてくると思います。
様々なソーラークッカー




真夏の下町住宅 外壁・屋根温度は50~70℃

日差しの強さが気になるシーズンの到来です。注意しなければいけないのは、何も女性ばかりでなく、住宅の外皮である外壁や屋根もというのが今回のテーマです。

昨年(2011年)、晴れ(やや薄曇り)の8月18日午後3時20分頃に東京都台東区下谷に建つ建物を西南西方向から赤外線サーモグラフィカメラで撮影しました。
【気象観測所(東京:大手町)の同日午後3時のデータは気温:34.8℃、湿度:54%、全天空日射量:2.25MJ/㎡、風向・風速:南南東 4.7m/s ※九日前から雨のない平均気温30℃超が続き2011年で最も平均気温が高かった日

  • イ:金属瓦〈灰肌色〉屋根/改修(木造住宅)
  • ロ:モルタル塗装〈薄灰色〉外壁(木造住宅)
  • ハ:いぶし瓦屋根(木造住宅)
  • 二:モルタル塗装〈白色〉(寺院塀)
  • ホ:鋼板スパンドレル〈海老茶色〉外壁/RC壁のうえに張る(RC造ビル)
「イ」「ロ」一般的に日差しからの熱吸収が少ない色は反射率の高い白やシルバーですが、(背後の材料を含む)熱容量の差なのかサーモカメラの精度なのか、「ハ」いぶし瓦や他の濃赤の屋根と温度の傾向はあまり変わらない。また「ホ」の鋼板外壁の温度がそう高くはない。夏のことを考えると屋根はシルバーという選択をしてしまいがちですが、もっとサーモカメラによる実態検証を増やしてみる価値があるようです。「二」白色の特性が出ていると考えられます。


  • イ:鋼板瓦棒葺〈灰汁色〉屋根(木造住宅)
  • ロ:鋼製折板〈白色〉外壁(木造住宅)
「イ」同じ屋根部でもここが高温なのは、真横にある白い壁面からの反射光による熱も加わったからと考えます。「ロ」白色系の鋼製折板は、日射による熱吸収が少なく薄肉鉄板なので熱容量も少ないことから50℃という温度なのでしょうか。※埼玉県三郷市や吉川市に大規模な戸建て分譲地があり、それはそれは窯業系サイディングの展示場みたいな場所で、色や表面の起伏の違いによる温度を測定し、レポートするのも面白いのではと思っています。


  • イ:イチョウ(街路樹)
  • ロ:弾性アクリル左官仕上〈胡桃染色〉外壁/改修(RC造ビル)
  • ハ:施釉タイル〈薄灰色〉外壁(RC造ビル)
  • 二:店舗テント〈濃緑色〉庇(RC造ビル)
「イ」葉面気孔開放により蒸散活動をする樹木(イチョウ)は40℃超ですが、冷却効果があるので屋外では樹木の傍が涼しいということがわかります。しかし、強い日差しが続くと水不足によるストレスが起こり、蒸散を止めてしまうので、地植えであっても適切な水遣りが必要です。「ロ」「ハ」の温度が高いのは、縦横の向きは違えど入隅に熱が集まりやすいうえ反射熱も加わるからでしょう。「二」テント庇は濃緑で太陽光を吸収しやすい色になるうえ、テント内部の空気が相当熱せられています。テント生地自体薄く熱容量も極めて少ないので、上部に熱気抜き用の処理を施せば温度は下がると思います。

このように夏の外壁や屋根の温度は50~70℃にもなります。室内もそれぞれ実測してみたいものですが、断熱のない建物は蒸し風呂状態で熱中症の危険性が極めて高いことやエアコン冷房の電力消費量がかさむであろうことが容易に想像できます。

簡単に材料メーカーのカタログデータを鵜呑みにせず、経年劣化がある実物の測定結果を噛み砕くことで材料選定の視点が増えると思います。当然、裏に設ける断熱(材)のコントロールや巷で騒がれている省エネ・節電にも関わり、様々なアイデアへとつながる可能性があるでしょう。

関連記事→『木造住宅の日射受熱 色とテクスチャーの差

医学 + 建築学 ⇒ 健康・省エネ住宅の今後


健康・省エネシンポジウム IN 経団連Ⅴ(2012年5月23日)に行きました。
主催:NPO法人 シックハウスを考える会及び、(一社)健康・省エネ住宅を推進する国民会議
後援:国土交通省、環境省、厚生労働省、経済産業省、林野庁、日本医師会、日本歯科医師会他、生活・建築・インフラ・消費者関連団体、報道関係など多岐。

このシンポジウムは、下記のようにテーマをもちながら開催されてきました。
第1回 「地球環境を守り、同時に国民の健康寿命を守るための住宅」(2008年)
第2回 「家族が健康に暮らせ、日本の産業化にも繋がる健康・省エネ住宅実現に向けての国民合意とその体制づくり」 (2009年)
第3回 「地球環境のための断熱改修から家族の健康、幸せのための断熱改修推進」(2010年)
第4回 「重要な地域活性化の手段としての地域財(人・材)を活用した健康・省エネ住宅」(2011年)

そして、ほぼ同時期に開催されているシンポジウムが別にあります。

健康維持増進住宅シンポジウム
主催 :(財)建築環境省エネルギー機構
後援:国土交通省

第1回 「健康維持増進住宅におけるヘルスキャピタル概念の構築(基調講演テーマ)」(2007年)
第2回 「1年間の研究成果の報告」 (2008年)
第3回 「住宅と健康に関する先端研究の動向と居住者の意識・満足度」(2009年)
第4回 「健康で快適な住まいとコミュニティーのあり方を探る」(2009年)
第5回 「設計ガイドラインとCASBEE健康策定にむけて」(2010年)
第6回 「最新の研究成果と健康ガイドブック(居住者向け)の開発」(2012年)

どちらも「健康」を謳っていますが、それぞれのシンポに参加してみると『健康・省エネシンポジウム』は医学的見地を主体に健康的な社会を築くためのもの。『健康維持増進住宅シンポジウム』は従来の建築学に医学的見地を加え健康的な住まいをつくるためのものというのが実感です。また、後援者の違いからも読み取れると思います。

さて、健康・省エネシンポジウム5回目となる今回のテーマは、「省エネ住宅への関心を高めるための医学・建築学連携による《健康長寿に資する住宅・住まい方調査》推進と結果の国民共有を目指して―」とあります。主催者のセンスでしょうが、回を追っても変わらない大きなテーマに、その時の時事問題を組み込むところが上手です。

シンポのなかで私が気になったことを少々。
  • 住宅のバリアフリー化が行き過ぎると、かえって生活不活発病になりやすいという意見もあり、エビデンス(証拠・根拠)の収集が必要と。・・・・・・介護の観点からすると、階段・段差が良いということはあり得ない、予防を目的とする動作機能維持なら、社会性や精神安定を保つうえでも散歩・自転車・庭いじりなど住宅外での行動が望ましいと思います。
  • 日光不足は、高齢女性に多い骨粗しょう症からくる骨折による寝たきり化(生活不活発病)を起し、心理的にも影響が予想される。防止するうえでも高齢者居住スペースの採光によるビタミンD生成を促す工夫が必要と。・・・・・・高齢者は雨戸の開け閉めが億劫になり、室内照明で過ごすことが多くなるので、温熱環境と併せて設計にこのような視点をも、持つべきです。
  • 省エネ住宅化による健康性向上という便益を、財政難におかれる日本のシュミレーションに加えることが必要と。・・・・・・医療や介護の在宅化へとシフトする流れなので、「予防」と「便益」の関係を深掘りし実証する段階に入ったということです。
  • 都市部の高度成長期に建てられた団地(エレベータ無しの4~5層階段室型)には高齢者が多く暮らしており、訪問医療に伺う医師が患者を見る前に疲労してしまうことが問題となりつつある。・・・・・・建設当時の階段室型はプライバシーや防犯、風通しなどの利点から量産されましたが、今ではお荷物。いくら、当時の日本に財政難などなく、建物なんざスクラップ&ビルドすれば良かったとは言え、冷静に考えると、この国が先進国と呼ばれることに恥ずしさを感じてしまいます。
このシンポジウムは当分続きそうです。(※もうひとつの健康維持住宅シンポジウムは今年度末で終了し、一部引き継ぐような感じです。)もはや住環境分野では、医学との連携無しでは進まなくなった感があります。これからの数年は「実証」フェーズという位置づけで様々な場所で実験・調査が行われます。我々住宅設計に携わる者にもエビデンス化が求められる時代になり、まっとうな住環境がようやく提供できるようになったと喜ぶべきではないでしょうか。

太陽熱給湯パネル 東西方向で選ぶなら西に設置

まだCO2を冷媒とした「エコキュート」が出る以前の、指定フロン22冷媒を使用したヒートポンプ式給湯システムの利用者から、故障で部品がないうえメーカーの給湯設備部門もなくなり、仕方なく東京電力さんと東京ガスさんに電話をしたところ、いろんな物を提案されてどれが良いのかわからないという相談を今年の1月に受けました。
太陽熱利用給湯システム+エコジョーズを設置
メーカーから提案されたものは、エコキュートエネファームエコウィルソラモです。※概要は名称からそれぞれメーカーの説明サイト行けます。
私がこのなかで選んだものはソラモです。ソラモとは、東京ガスさんがガス器具メーカーとタイアップして考えた給湯システムで、太陽熱利用の液体式ソーラーシステムによりタンク内の水を加熱し、必要温度に満たない場合にはガス給湯器で加熱を補助すると言うものです。よく太陽熱温水器(集熱器と貯湯槽が一体となったものが屋根に置かれる)と混同されますが違います。
ソラモを選ぶにあたっての比較と理由については、別のブログ記事にする予定ですが、もちろんコストや耐久性は踏まえています。重要視したのは、「既存の建物で3.11後の社会情勢とその先を見越す」というものです。
今回相談依頼された住宅は、太陽光を受けるのに良いと言われる南(北)方向に傾斜面がある屋根ではなく、東西方向に傾斜面があるのでどんなものかと検討し、提案書をつくることにしました。
※東京ガスの担当者さんへは、太陽熱温水器と違って集熱器(パネル)自体は比較的軽いのだから屋根勾配を気にせず南面へ取り付けられる架台のオプションを用意したら、優位性があがると伝えました。

提案するにあたってのポイントは3つ

  1. 屋根のどこに4㎡(タンク容量に好ましいサイズ)の集熱器(パネル)を置けるか
  2. どのようにして定量的な日射量を求めるか
  3. 主な給湯を使う時間帯はいつか
提案の結果、西側の屋根に4㎡の集熱器を確保しました。

実際に作成した提案書です。提案結果の根拠がわかりますのでどうぞ御覧ください。
・太陽熱利用ガス温水システムの設置提案 
相談依頼の住宅には西側に農地があり、今は建物がなく問題ないが将来的に建物が出来ることも念頭に、今後は提案書をつくる必要があると思われます。

寒い脱衣室 後期高齢者の体に障る実態を調査

試験的に脱衣・入浴時の血圧を自分で測定したところ
冬の暮らしにおけるヒートショックがクローズアップされるなか、特に脱衣時の血圧上昇が急激に起こることを問題視する向きがあります。

そこで、先の厳冬期にあたる2月(2011年)、ヒートショック被害に遭いやすいと言われている後期高齢者(75歳以上)が実際に暮らす住宅で、脱衣室を暖房していないケースと事前に暖房をしているケースの温熱環境とバイタルサインの関連について調査を2件行い考察しました。
温度測定用の手づくり計測帯を吊るした脱衣・浴室

■ 調査概要

立地・居住建物

東京のベッドタウンとして発展した人口24万人、世帯数10万世帯を持つ都市のごく普通の住宅地で、海抜2mの平野に位置します。次世代省エネルギー基準のⅣ地域に属し、昭和62年(1987年)以前に建てられた木造戸建住宅で、建物断熱性能は旧省エネ(S55)基準以下と推察します。

測定事項

・ 一日のほとんどを過ごす場所(居間)の温・湿度、二酸化炭素濃度、血圧と脈拍
・ 脱衣・入浴をする際の温・湿度、血圧と脈拍

主な計測機器

温湿度ロガー、温湿度計、二酸化炭素濃度計、サーモグラフィカメラ、血圧計

■ 調査結果資料

やはり、脱衣室の暖房の有効性がわかる結果となりました。あわあせて、身体状況の個別性から、脱衣室と浴室の暖房だけに焦点を当てるのは、問題があるのではという疑問が浮かびあがりました。
※以下に調査結果をまとめたファイルと参考資料が見れるようにリンクを貼っていますので是非御覧ください。

レポート→後期高齢者(75歳以上)の脱衣・入浴時における温熱環境及び血圧の測定/2012年冬

また、住宅技術評論家 南雄三さんのレポート→ 「冬季脱衣室の温度調査報告書 2012年4月20日」に今回の測定データが利用されていますので、こちらもあわせてご覧ください。


住宅の研究って何をやっているの?@建築研究所

 つくばで催された科学技術週間行事(4月22日)を見に行ってきました。
独立行政法人 建築研究所では予約制で様々なテーマのツアー見学を用意しており、はるばるつくばまで行くのだからとすべてをハシゴすることに。そのなかのいくつかを紹介します。

● コンクリートを調べてみよう/建築材料実験棟

フレッシュコンクリートの感触を確かめる
コンクリートスランプテストを見る
普通コンクリートと高流動化コンクリートのつくり方を実際に並べてやってみるというものです。働く車のコンクリートミキサー車から流れてくるコンクリートなら見たことがあるかもしれませんが、ちびっ子たちにとって手で練り上げるコンクリートはプリンでも作るように見えたことでしょうか。フレッシュコンクリートに触らせるとはなかなかやるな建築研究所。ここではお土産に「建築研究所」ネーム入りクラックスケールを頂きました。

 ● 大地震時の木造住宅の倒れ方をみてみよう/建築部材実験棟

筋交い耐力壁が壊れるのを見る
 大地震による振動にて木造住宅の壁が崩壊する現象を再現したものです。特に補強金物はなく1981年以前(厳密には2000年以前)の古い法律が適用された時代の住宅を想定したものでしょうか。けたたましい音とともに筋交いが破壊してしまいました。また建築研究所が開発した木造住宅倒壊解析ソフト『wallstat』ウオールスタットのシュミレーションと実物住宅の倒壊実験の結果を比較した映像を解説。同様の倒壊プロセスをたどっていました。つまり、このソフトのシュミレーション精度は悪くないということです。そこで質問をしてみました。「今現在、耐震診断・改修をしていない古い家に住まわれている方に、家の中で最も地震に対して安全な部屋はどこで、寝るならそこにしなさいと言うアドバイスにこのソフトが活用できるか?」→担当職員の方は「そういうこともできると思う」と返答。なんと!このソフトが無料でダウンロード利用ができるなんて、世の設計・工事屋さんにもっと知らせて役に立てるようにすべきだぞ建築研究所

● 火の粉による延焼をみてみよう/火災風洞実験棟

風が強い時に火の粉が住宅にどう当たるのかを見る
 風の強い時には1.6km遠方まで火災の火の粉が飛び、ごくごく小さな火の粉でも侮れない。また、なるべく飛んできた火の粉がたまりにくいような工夫が大切であるとも。現在は住宅屋根の棟通気口から入る火の粉の被害を実験検証したりしているとか。しかし、平均風速10m/秒の人工風で火の粉はたくさん飛んでも、メガホンからの説明の声は我々見学者まで飛んで来なく聞きとれなかったぞ建築研究所


● 風をみよう/通風実験棟


住宅内の風の流れを見る

今回、私が一番見たかったのがこれです。東京都台東区という下町の木造住宅密集地域近くに住む者として「卓越風を含む風の有効利用で快適かつエコな生活を前面道路や隣棟間隔の狭い木造住宅密集地域でなんとか合理的に実現できないものか?」と思っていて、少しでもヒントが無いものかと期待してのことです。住環境工学のなかで最も解析が難しいのが換気・通風などの「空気の動き」ではないのかと常々思っています。様々な建築論文を漁ってみても住宅のなかで空気の流れをコントロールするレポートがまだまだ少ないのが現実です。この実験棟は住宅に対する風向きや窓の位置、開閉構造の組合せにより上手く風を活用できるかをシュミレーションするためにあるそうです。まだまだ未開拓な研究分野だけにこの装置は今後より重要なものになりそうです。また世界でひとつしか無い実験棟(装置)だそうで、世界に冠たる実験結果を出して欲しいぞ建築研究所


昨今の地震や電力問題による省エネなどがメディアで頻繁に報道されることから、注目度が上がったのでしょうか。建築業界の方ではない見学者が多く、子ども連れも目立ちました。 住宅には家族の生命や財産を守るために、地味で地道な研究活動が必要なことが理解されるこのようなツアーがもっと盛んになればいいなと思った一日でした。頑張れ建築研究所

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